このページは2020年の情報になります。
↓ 2021年の補助事業については以下をご覧ください。
「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」(旧呼称「断熱リノベ」)は、高性能建材を使って一定の要件を満たす断熱改修をした場合に、国の補助金が交付されるものです。今年度も引き続き実施されるこの補助制度について、その概要を説明します。
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この事業は、住宅に高性能な断熱材や窓等を用いた断熱改修を行うことにより、一定の要件を満たす場合に国の補助金が交付されるものです。今年度も引き続き実施される断熱リノベと次世代建材の2つの補助制度について、その概要を説明します。
補助事業全体概要
まず、事業全体の概要ついて見てみます。
誰がもらえるの?
■補助の対象者(申請者)
住宅区分 | 断熱リノベ (高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業) |
次世代建材 (次世代省エネ建材支援事業) |
|
---|---|---|---|
戸建住宅 | 個人の住宅(※)所有者又は所有予定者 |
|
|
集合住宅 | 個別改修 | ||
全戸改修 | 管理組合の代表者 | ||
※:申請者が常時居住するための専用住宅 |
どのようなリフォームが補助対象なの?
■補助対象工事のイメージ
■断熱パネルとは
断熱パネルとは、施工性を向上するため高性能な断熱材と下地材等が一体となったパネルです。短工期で施工できるので、改修が必要な部屋だけを選んで施工できます。
■潜熱蓄熱建材とは
潜熱蓄熱建材とは、17℃~28℃の温度帯の熱を吸収・放出する物質を組み込んだ建材です。室内温度の変動を抑えられるため、季節を問わず快適な室内空間が維持できます。
<断熱リノベ>のポイント
断熱リノベは、一定の省エネ効果(15%以上)が見込まれる断熱材や窓の高断熱化リフォームに対し補助される制度です。このリフォームにより、光熱費削減、冷暖房の快適性向上、結露・カビの改善などの効果を期待できます。
<次世代建材>のポイント
次世代建材は、短工期で施工可能な高断熱パネル、潜熱蓄熱建材、調湿建材などの付加価値を有する省エネ建材を用いた断熱リフォームに対し補助されるものです。これらの建材は室内側からの施工が可能であるため、住みながら短期間で断熱リフォームができるメリットがあります。また、最低改修率の要件がないため、住宅の一部の改修でも補助対象とできるのがポイントです。
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補助額は?
それぞれの事業の補助額(上限額)と補助対象製品について整理します。
■補助額、補助対象製品
断熱リノベ 高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業 |
次世代建材 次世代省エネ建材支援事業 |
|||
---|---|---|---|---|
戸建住宅 | 集合住宅 | 戸建住宅 | 集合住宅 | |
補助金上限額 | 120万円/戸 (40万円/戸※1) |
15万円/戸 | 200万円/戸 | 125万円/戸 |
補助対象製品 | 断熱材、ガラス、窓 | 必須製品※2 ・断熱パネル ・潜熱蓄熱建材 |
||
任意製品※3 断熱材、窓、玄関ドア、調湿建材 |
||||
別途補助対象 | 家庭用蓄電システム、家庭用蓄熱設備(詳細は下記参照) | ―― | ||
※1 窓のみの改修も可能。その場合は40万円/戸。※2 必須製品:高断熱パネル、潜熱蓄熱建材のいずれかの導入が必須となります。※3 任意製品:断熱材、窓、玄関ドア、調湿建材は必須製品と同時に導入した場合のみ補助対象となります。 |
材料や設備については、SIIの定める要件を満たし、登録されている製品である必要があります。
※SII:一般社団法人 環境共創イニシアチブ
リフォーム会社を自由に決めていいの?
この補助事業に対応できるリフォーム業者さんであれば、依頼先は自由に選ぶことができます。あらかじめ採択や登録などを受けている工事業者の中から選択しなければならないなどのルールはありません。
(ただし、補助金交付等停止措置又は指名停止措置が講じられている事業者などは除きます。)
スケジュール
申請期間等は以下の通りです。みなさんのリフォーム計画の参考としてください。
公募期間中に交付申請をし、交付決定通知後に事業(契約・工事)に着手するという流れになります。
スケジュールは変更となる場合があります。最新の情報は、各事業ホームページをご確認ください。
各事業の詳細情報(リンク)
令和2年度 高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業(SII)
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断熱リノベ事業の概要(個人所有・戸建て住宅)
次に、2つの事業それぞれについてもう少し詳しく説明します。
まず、断熱リノベ(高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業)について説明します。
なお、この補助金は、戸建住宅だけではなく、マンション、アパートなどの集合住宅の申請も可能となっていますが、断熱リノベについては、これ以降、個人所有の戸建て住宅に絞って説明します。
補助金額
断熱リノベの補助率、及び補助上限額を表にまとめると、以下のとおりとなります。
■断熱リノベ 補助率・上限額(戸建て)
補助対象製品 | 補助対象経費 | 補助率 | 補助金の上限額 | |
---|---|---|---|---|
材料費 | 工事費 | |||
①高性能建材(ガラス・窓・断熱材) | ○ | ○ | 補助対象経費の 1/3以内 |
120万円/戸または(40万円/戸※1) |
②家庭用蓄電システム | ○ | × | 2万円/kwhまたは20万円のいずれか低い金額 | |
③家庭用蓄熱設備 | ○ | ○ | 5万円/台 | |
※1:戸建住宅において窓のみを改修した場合は40万円/戸 |
家庭用蓄電システム・蓄熱設備について
- ②家庭用蓄電システム、③家庭用蓄熱設備を導入する場合は、太陽光発電システム等の再生可能エネルギー・システム(10kW未満)が設置されている必要があり、補助対象となる申請者は2021年3月末までにFITの契約が終了する方となります。(FIT:固定価格買取制度)
- ②家庭用蓄電システム、③家庭用蓄熱設備への補助は、高性能建材による断熱リフォームとは別に補助されますが、これに対する補助額は、高性能建材の補助金額以下である必要があります。つまり、設備単体で導入・改修をする場合は補助対象外となります。
補助対象費用
断熱リノベの補助金の交付対象となる経費は、以下のとおりです。
■補助対象経費(断熱リノベ、戸建て)
- 高性能建材の購入経費及び必要な工事に要する経費
- 家庭用蓄電システムの購入経費(工事に要する経費は補助対象外)
- 家庭用蓄熱設備の購入経費及び必要な工事に要する経費
補助対象製品
断熱リノベの補助対象となる製品は、SIIが定める要件を満たし登録されている未使用品である必要があります。
補助対象製品は断熱リノベ-補助対象製品一覧-SIIで確認することができます。
補助要件
補助事業の主な要件は、以下の通りです。
■主な補助要件(断熱リノベ)
- 補助対象製品を用い、事業要件の詳細に従った既存住宅の断熱改修を行う。
- 補助事業に係る建物本体(各部位の解体、仮設足場等を含む)の工事は、本事業の交付決定通知書に記載する交付決定通知日以降に契約・工事着工する。
- 完了実績報告書を提出期限内に提出する。
など・・
この補助事業は、単純に断熱改修をすればよいというわけではなく、決まった材料を用い、決まった改修条件を守り、決まった省エネ性能を確保することが必要になります。
一定の省エネ性の向上が必要
この事業では、高性能建材による断熱リフォームによって一定の省エネネ効果(15%以上)を達成しなければなりません。
この15%以上の省エネ効果の達成は、断熱リフォーム部分の床面積の割合から早見表により判断することができます。(早見表が使えないケースの場合は、エネルギー計算によって確認。)
具体的な改修方法、確保すべき省エネ性能などの基準は、「事業要件の詳細」で示されており、これに従って断熱改修を行う必要になります。
この内、「戸建住宅の改修」について、要点を列挙します。
戸建住宅の改修 要旨抜粋
- 改修する部位は、「エネルギー計算結果早見表」から選択し、地域区分ごとの、延べ床面積に対する一定割合以上の最低改修率を満たすこと。
- 居間又は主たる居室(就寝を除き日常生活上在室時間が長い居室等)を中心に改修すること。
- 導入する断熱材及び窓・ガラスは、原則、改修する居室等の外気に接する部分全てに設置・施工すること。(断熱材及び窓・ガラスを改修する場合は、原則、外気に接する部分のみ補助対象。)
- 天井改修においては、屋根の直下の天井、及び外気に接する天井の全てを改修すること。(バルコニー等で改修が困難な部分を除く(最大15%まで))
- 窓の改修工法は、カバー工法窓取付※、外窓交換・内窓取付、ガラスの改修工法はガラス交換とする。
※ 既存窓枠を取り外さずに、その枠の上から新しい窓を取り付ける工法をいう。
審査・選考
断熱リノベの補助金交付申請に対する審査については、学識経験者を含む関係分野の専門家で構成された審査委員会で定められた審査基準に基づき、申請の到着順に審査を行い、随時採択します。
ただし、補助事業公募期間内であっても、住宅区分ごとの予算に達した日の前日を以って公募は終了となりますのでご注意ください。
次世代建材事業の概要
次に、次世代建材(次世代省エネ建材支援事業)の概要について説明します。
補助金額
次世代建材の補助率、及び補助限度額は以下のとおりです。
次世代建材 補助率・上限額等 | |
---|---|
補助率等 | 補助対象経費の1/2以内 |
補助金の上限額 | 戸建住宅200万円/戸、 集合住宅125万円/戸 |
補助金の下限額 | 20万円/戸 |
補助対象経費について | 補助対象経費の合計は1住戸当たり40万円以上であること。 |
補助対象製品
次世代建材の補助対象となる製品は、以下に掲げるもので、SIIが定める要件を満たし、SIIに登録されている未使用品である必要があります。
■補助対象製品(次世代建材)
- ① 断熱パネル
- ② 潜熱蓄熱建材
- ③ 断熱材、窓、玄関ドア、調湿建材(①または②と同時に導入する場合に限り補助対象となります。)
補助対象製品は補助対象製品一覧-SIIから確認することができます。
次世代建材と改修イメージ
■次世代建材のイメージ
■改修と補助額算定のイメージ
図:令和2年度 次世代省エネ建材|事業概要パンフレット(SII)より
なお、高断熱パネル、潜熱蓄熱建材はいずれかの導入が必須となっており、断熱材、窓、玄関ドア、調湿建材は必須製品と同時に導入した場合のみ補助対象となることに注意しましょう。
補助対象費用
次世代建材の補助金交付対象となる経費は、補助対象製品(上記の①・②・③)の材料費と設置に要する工事費となります。
補助要件
次世代建材の補助事業の要件を概略すると、以下の通りとなります。
■主な補助要件(次世代建材)
- 補助対象製品を用い、事業要件の詳細に従った既存住宅の断熱改修を行う。
- 補助事業に係る建物本体(一連の工事を含む)の工事は、本事業の交付決定通知書に記載の交付決定通知日以降に契約・工事着工する。
- 実績報告書を提出期限内に提出する。
など・・
「事業要件の詳細」では、具体的な改修方法が示されており、これに従って断熱改修を行うことが必要になります。以下に、要点について列挙します。
補助対象製品の導入要件と施工要件 要旨抜粋
① 断熱パネル
- 室内側から施工すること。床下、壁の外側、天井裏から施工するものは対象となりません。
- 施工範囲に居室又は玄関、トイレ、浴室、洗面脱衣所のいずれか一室を含むこと。また、その部屋の外気に接する床、壁、天井の少なくとも1部位1面に施工すること。
など。
② 潜熱蓄熱建材
潜熱蓄熱建材を設置する工事であり、以下の要件を満たすこと。
- 原則、施工範囲に居室を含むこと。
- 居室等の床面積あたりの蓄熱量が192kJ/㎡以上となるように施工すること。
- 施工された製品の総厚みが25mm以内であること。
- 以下のA)~C)のいずれかに該当する居室等であること。
- A) 断熱性能等級4であるなど、平成11年省エネ基準以上の断熱性が確保された居室等
- B) 本事業において床・壁・天井の1面以上と窓及びガラスを断熱改修する居室等
- C) SIIの補助を受けた既存住宅の断熱改修に係る事業において、床・壁・天井の1面以上と窓又はガラスを断熱改修した居室等
以下の改修工事は、①または②の工事を実施する場合に限り、補助対象とできます。
③ 断熱材
- 施工部位は外気に接する床、天井のみとし、壁面への導入は対象外
④ 窓
以下の内、いずれかの改修であること。
- 防災ガラス窓
カバー工法(※)による取り付け又は外窓の設置であること。内窓は対象外。 - カバー工法窓
カバー工法(※)による窓の取り付けであること。 - 外窓(防火仕様)
外窓の設置であること。 - 内窓
既存窓の内側に取り付けること。
※ カバー工法:既存窓枠を取り外さずに、その枠の上から新しい窓を取り付ける工法
⑤ 玄関ドア
- 玄関ドアの設置であること。
⑥ 調湿建材
- 室内側から施工すること。
- 吸放湿を妨げない適切な内装仕上げとすること(吸放湿を妨げる塗装や透湿しないシート等を上張りしないこと)。
審査・選考
到着順に審査を行い、随時採択します。ただし、補助事業公募期間内であっても住宅区分ごとの予算に達した日の前日を以って公募は終了となりますのでご注意ください。
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その他Q&A
この補助制度のポイントについて、Q&A形式でまとめます。
- 交付決定前に工事をした場合、補助金はもらえますか?
- 交付決定通知書に記載される交付決定通知日よりも前に契約・着工したものは、要件不適合となり、補助金は受けられません。
なお、契約・着工とは断熱工事のみを指すのではなく、断熱改修を行うのに要する仮設工事(撤去・足場工事等)などの一連の工事の契約・着工を指しますので注意しましょう。
つまり、断熱材を工事するために仕上げの石膏ボード等を撤去する、あるいは、窓を取り換えるために必要な足場を設置する工事の契約・着工を交付決定前にしてしまうと、それは事前着手となり、補助金は受けられなくなります。
- 材料や業者さんに指定はあるのですか?
- 建材・設備については、SIIにあらかじめ登録を受けた製品であるなど、公募要領に定める要件を満たす必要があります。
一方、依頼をする業者さんについては指定や登録などの限定はなく、この事業に対応できる業者さんであれば自由に決めることができます。(補助金交付等停止措置又は指名停止措置が講じられている事業者などは除きます。) - 玄関ドアのみ改修したいのですが、補助は受けられますか?
- 断熱リノベ事業では、玄関ドアは補助対象になりません。
一方、次世代建材事業については、断熱パネルまたは潜熱蓄熱建材を導入した場合に限り、玄関ドアを補助対象とできますが、玄関ドアのみ改修する場合は補助対象となりません。
- 他の補助金との併用はできますか?
- 補助金制度の併用自体は禁止されていませんが、一つの工事で2つの補助金を得る、つまり、補助金の2重取りはできないことになっています。
つまり、断熱工事を一方の補助対象工事に含めた場合は、もう一方の補助申請ではその工事を補助対象工事から外さなければいけません。(補助対象経費には、国からの他の補助金の対象経費が含まれないことが要件となります。)
- 断熱リノベと次世代建材の両方に申請することはできますか?
- 部位が重複していない場合は併用可能です。ただし、採択された場合、両事業の交付決定通知書が届くまでは、それぞれの工事の契約及び着工はできませんのでご注意ください。
詳細情報
詳細については以下をご確認ください。