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ここでは、省エネリフォーム、もしくは、省エネ住宅への建替えで補助金が受けられる「住宅エコリフォーム推進事業」について、全体概要・要件などを、ポイントを絞ってわかりやすく紹介します。
住宅エコリフォーム推進事業の概要
基本的な制度内容は次の通りです。
主な要件と補助額
リフォームまたは建替えによって、ZEHに相当する省エネ性能を確保する住宅に対し補助されます。
制度のポイント
■部分改修も可能
この補助制度は、住宅全体をリフォームする場合だけでなく、窓改修だけを部分的に行うといった小規模なリフォームも対象となります。
よって、一部の部屋だけ窓改修し、暖冷房の効きをよくしたい、さらには、窓改修とあわせて燃費の良い給湯・暖冷房設備を設置したいという場合も利用が可能です。
■ソーラーパネルの設置は不要
ZEHといえばソーラーパネルをイメージしますが、この補助制度では、そうした発電設備の設置を必要としません。その分、要件のハードルが低く、利用しやすくなっています。
■年齢や世帯要件なし
リフォームを行う方の年齢や、子育て世帯などの世帯要件などはありませんので、どなたでも利用できる制度となっています。
3つの補助対象工事
その補助の対象となる工事は、大きく以下の3つとなります。
- 全体改修を行いZEHレベルの省エネ性能とする
- 建替えによりZEHレベルの省エネ性能とする
- 住宅の開口部などをZEH仕様基準で部分改修する
①全体改修、②建替えは建物全体の省エネ性能をZEHレベルとする必要があります。
ZEHレベルとはなにか?ZEHとの違い?については、後段で解説します。
一方、③の部分改修については、改修する部分をZEH仕様基準で工事する必要があります。
③の部分改修を簡単に説明すると、あらかじめ補助対象製品として登録されている省エネ性能の高い窓・断熱材・高効率設備を使用し、希望する部位・設備のみ改修・交換するというイメージになります。
スケジュール
スケジュールは以下の通り、交付申請の期限、完了実績報告の期限を守る必要があります。
なお、補助の対象となるのは、工事請負契約の締結が2023年4月1日以降の工事となります。
また、工事の着工日についても定めがありますので、後段をご確認ください。
スケジュールは前倒し・変更となる場合があります。最新の情報は以下よりご確認ください。
住宅エコリフォーム推進事業実施支援室
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補助制度の具体的な内容
次に、補助の内容について解説します。
補助額
補助率・補助額は次の通りです。
■補助率・補助上限額
(全体改修、建替え、部分改修 共通)
戸建住宅 | 共同住宅 | |
---|---|---|
補助率 | ・省エネ診断(※1):1/3 ・省エネ設計、省エネ改修:40% |
|
補助額 | 省エネ改修工事費用(相当額)×補助率 | |
補助金上限額 | 350,000円/戸 | |
補助金下限額 | 5万円/戸 | ※1:省エネ性能の証明書取得費用等をいいます。省エネ設計・改修と重複して申請可能。 |
上記の補助額は、全体改修、建替え、部分改修全てに共通します。
いずれの場合も、35万円を上限に、省エネ工事費用の40%が補助されます。
次に、要件、補助対象工事についてみてみましょう。
要件・補助対象工事
全体改修、建替え、部分改修それぞれにおける要件・補助対象工事は次の通りです。
■改修別の要件、補助対象工事
全体改修 | 建替え | 部分改修 | |
---|---|---|---|
要件 | ZEHレベル (断熱等性能等級5かつ一次エネルギー消費量等級6)(※1) |
複数の開口部をZEH仕様基準により改修する | |
改修後の耐震性確保(※2) | |||
補助対象工事 | 上記の性能とするための工事 | ①開口部の断熱改修工事(必須工事)②外壁、屋根、床の断熱改修工事③エコ住宅設備設置工事 | ※1:BELS等の第三者評価の認証の取得が必要です※2:全体改修又は建替えにより、階数が2階以下かつ床面積の合計が500㎡以下の木造のZEHレベルの住宅を整備する場合、建物の重量化を踏まえた構造計算、所定の壁量確保、または耐震等級3確保などが補助要件となります。 |
全体改修と建替えはZEHレベルに適合させ、建物全体で所定の省エネ性能をクリアする必要があります。
また、あわせて、ZEHレベルにすることによって建物が重量化するため、その荷重を踏まえた建物の耐震性確保が必要になります。
一方、部分改修は、改修を行う部分のみZEH仕様基準に適合させればよいことになります。なお、複数の開口部の改修が必須工事となります。
全体改修と建替えの要件ZEHレベルとは
全体改修、建替えの場合は省エネ性能をZEHレベルにすることが要件となっています。ここでの注意点は、省エネ性能がZEHレベルということであり、ZEHとする必要はないということです。
ZEHとZEHレベルの違い
両者の違いは、かんたんにいうと、ソーラーパネルがあるかないかという違いになります。
■ZEHとは
ZEHはゼロエネルギーハウスの略称で、高い省エネ性能を有し、かつ、ソーラーパネルなどの創エネ設備の導入によって、使うエネルギーと生み出すエネルギーが概ね同じになる住宅をいいます。
「屋根・壁の高い断熱性+燃費のよい設備+創エネ設備」によってエネルギー収支が0となるのがZEH。
■ZEHレベルとは
一方ZEHレベルとは、上記のZEHから創エネ設備を除いた性能を指します。つまり、省エネ性能はZEHと同じですが、ソーラーパネルの設置により、エネルギー収支を0とする必要のないものがZEHレベルということになります。
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部分改修の要件・補助対象工事
部分改修の内容につて、もう少し具体的に説明します。部分改修の補助対象工事は次の3つとなります。
部分改修の補助対象工事
②外壁・屋根・天井・床の断熱改修工事
③エコ住宅設備の設置工事
これらの具体例、モデル工事費を整理したのが、以下の表となります。
■補助対象工事、モデル工事費
補助対象工事 | 工事部位・名称 | モデル工事費 |
---|---|---|
①開口部の断熱改修 | ガラス交換 | 24,000~96,000円/枚 |
内窓設置・交換、外窓交換 | 160,000~248,000円/箇所 | |
ドア交換 | 320,000又は360,000円/箇所 | |
・工事要件:複数箇所をZEH仕様基準により改修する(必須工事) | ||
②外壁、屋根・天井、床の断熱改修 | 外壁 | 201,000円/㎥~ |
屋根・天井 | 72,000円/㎥~ | |
床 | 245,600円/㎥~ | |
・工事要件:ZEH仕様基準により改修する ・①とあわせて行う場合に限り補助対象 |
||
③エコ住宅設備設置 | 太陽熱利用システム | 452,000円/戸 |
・ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯器 (ハイブリッド給湯機)(A) ・電気ヒートポンプ給湯器 (エコキュート)(B) ・潜熱回収型石油給湯器 (エコフィール)(B) ・潜熱回収型ガス給湯器 (エコジョーズ)(B) |
263,000円/戸 | |
高断熱浴槽(※1) | 416,000円/戸 | |
浴室シャワーの節湯水栓(※2) | 57,000円/戸 | |
・燃料電池システム(エネファーム)(A) ・蓄電池 ・LED照明 |
なし | |
・①とあわせて行う場合に限り補助対象 ・Bのいずれかは※1※2と3つセットで補助対象 ・※1、※2は(A)のいずれかとセットで補助対象 |
・モデル工事費と実際の工事費それぞれより算出した補助額の低い方の額で補助額が決定されます。 |
①は必須工事となっており、②、③の工事は①と同時に行う場合に補助対象となります。②、③のみを単独で工事しても補助を受けることはできませんのでご注意ください。
なお、一部製品を除き、原則として、補助対象製品として登録された材料・製品を使用する必要があります。登録製品は以下の住宅省エネ2023キャンペーン(こどもエコすまい支援事業事務局)より確認できます。
住宅省エネ2023キャンペーン
部分改修の補助額算定
部分改修の補助額は次により算定します。
補助額=①+②+③ ただし補助上限額以下
①開口部の改修工事費×補助率
②外壁・屋根等の断熱改修工事費×補助率
③エコ住宅設備の設置工事費×補助率
・①~③はそれぞれ、モデル工事費と比較して低い方の額を採用します。・③の工事は、①と②の実際の工事費と同額以下。
その他留意点
契約について
工事請負契約の締結が2023年4月1日以降である必要があります。(変更契約ではなく原契約)
なお、工事請負契約が結ばれない工事は、補助の対象となりませんのでご注意ください。
着工について
工事の着工は、契約日以降で、かつ、リフォーム会社が住宅エコリフォーム推進事業者として登録した日以降である必要がありますのでご注意ください。
なお、登録業者さんは、以下から確認することができます。(公開を希望する業者さんのみ)
登録事業者一覧-住宅エコリフォーム推進事業実施支援室
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手続きについて
この事業は、リフォーム工事の工事施工者が補助事業者となり申請を行います。よって、リフォーム発注者の申請手続きは、基本的にありません。なお、補助金は、補助事業者が受領し、最終的にリフォーム発注者に還元されます。
参考に、事業全体の流れについて以下に示します。
申請フロー
他の補助金の併用について
原則として、住宅のリフォーム工事を対象とする国の他の補助制度との併用はできません。ただし、工事請負契約が別である場合などについては、併用できる場合があります。
(参考)
図:よくあるご質問-住宅エコリフォーム推進事業実施支援室 より抜粋
また、国の費用が充当されている地方公共団体の補助制度についても、原則、併用はできませんのでご注意ください。
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Q&A
制度をより深く理解できるよう、注意点、ポイントなどをQ&A形式にまとめます。
- すでに契約・工事をした場合、補助金はもらえますか?
- 以下の日よりも前に、契約・工事を行った場合は、補助金は受けられません。
契約と工事は次の日以降でなければいけません。
・工事請負契約締結:2023年4月1日以降
・工事着手:契約の締結日以降で、かつ、リフォーム会社が住宅エコリフォーム推進事業者として登録した日以降なお、契約は最初の原契約の日であり、変更契約の日ではありません。
- 自分でリフォーム(DIY)した場合も補助金はもらえますか?
- いいえ。工事請負契約を伴わないリフォーム工事は補助対象外です。
- 材料や業者さんに指定はあるのですか?
- 材料・設備については、一部を除き、補助対象製品として登録された製品を使用する必要があります。
一方、依頼をする工事施行業者さんについては、住宅エコリフォーム推進事業者として登録された事業者である必要があります。
登録業者さんは、以下から確認することができます。(公開を希望する業者さんのみ)
登録事業者一覧-住宅エコリフォーム推進事業実施支援室 - 窓の改修だけでも補助金はもらえますか?
- 複数の窓改修を行う場合、補助対象となりえます。外壁の断熱材改修を必ず行う必要はありません。ただし、改修工事の補助額の合計が5万円未満の場合は申請できませんのでご注意ください。
- 玄関ドアのみ改修したいのですが、補助は受けられますか?
- 玄関ドアのみ1カ所を改修する場合は補助対象となりません。
複数の開口部の改修が必須要件となっていますので、例えば、さらに窓改修をあわせて行うことによって、補助対象にすることができます。 - 水回りリフォームは補助対象ですか?
- 台所、トイレ、浴室のリフォームは、補助対象ではありません。ただし、高効率給湯器、高断熱浴槽、浴室シャワーの節湯水栓は補助対象製品となっていますので、複数の開口部の改修とあわせて行うことで、補助対象とできます(単独では補助は受けられません)。
なお、高効率給湯器、高断熱浴槽、浴室シャワーの節湯水栓の3つは、既設を含みセットである必要があります。何れか1つが欠けていると補助対象となりませんのでご注意ください。
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事業の詳細リンク
事業の詳細については以下をご確認ください。
住宅エコリフォーム推進事業実施支援室
関連する制度
住宅のリフォーム関連の補助制度全般については以下をご確認ください。
住宅のリフォーム・改修時に利用できるお得情報についてまとめています。補助金、減税の制度を一覧にしていますので、チェックリストとしてご活用ください。リフォームの減税は特に複雑です。制度の基本をつかんでから詳細に進めるよう纏めていますので参考にしてください。
中古購入とリフォームの資金計画をセットで検討する方法
実は、物件購入時には、各社との打合せ負担、不動産会社とリフォーム会社の予算の取り合い、全体視点の欠如など、購入者が第一に考えられていない場合があります。
■中古物件購入・リフォーム時の悩み
そこで、そのような不安を持つ方に、今、お勧めしているのが、物件探しから、資金計画、デザイン提案、工事、アフターまでを一貫して提供する、ワンストップサービスの「リノベ不動産」です。
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