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リビング階段、ホール階段のメリット・デメリットを、階段配置の基本パターン別にしっかりと理解しいただき、それぞれの特徴を把握した上であなたの家族に向いた計画を考えていただきたいと思います。
階段配置のパターン別の間取り図とメリットデメリット解説
以下の階段配置の基本タイプ3パターンについて、家族間のコミュニケーション性やプライバシー性の違い、それぞれのポイントについて説明します。
一般的に子供部屋は2階に配置するケースが多いと思いますが、階段の位置によって、家族間のプライバシー性がどのように変わるのかを見ていきましょう。
あなたの家族との相性を確認してみてください。
■階段配置 基本3パターン
- コミュニケーション重視型
(リビング階段)
リビングを横断して2階へ上がるタイプ - プライバシー重視型
(ホール階段)
リビングを介さず玄関ホールから直接2階へ上がるタイプ - バランス型
(リビング階段 上記2タイプの中間)
階段はリビングにあるが、リビングに入ってすぐのところに階段があるタイプ
1.コミュニケーションを重視したリビング階段の計画の例
子供が小さいうちはコミュニケーションがとりやすくてよいのですが、大きくなるにつれ、動線の独立性が全くないことが、互いのストレスの原因になる場合があります。
2階へ上がるときにリビングを横切る計画の例 その1
2階へ上がるときにリビングを横切る計画の例 その2
また、こういった間取りは、簡易な改修によって独立性を持たせることが非常に難しいのが現実です。
2.プライバシー性を重視したホール階段の計画の例
将来、親と同居する、間貸しするといった場合には適した計画といえるでしょう。
リビングを介さずに2階へ行けるホール階段の計画の例 その1
全ての家族に当てはまるとはいえませんが、子供の中・小学期以下にはあまり適さない計画といえるでしょう。
リビングを介さずに2階へ行けるホール階段の計画の例 その2
コミュニケーション不和を助長させてしまう面がある一方、成人した子供や家族以外との同居には適したプランといえます。
3.顔が見えて、プライバシー性もあるバランスのとれたリビング階段
リビングに入り込まないよう、脇をかすめる程度というのがポイントです。
これにより、2階の家族の顔も見えて、かつ、リビングへの強い干渉もなくなるため、ほどよいコミュニケーション性と独立性を兼ねることができます。
リビングのわきを通り2階に上がる階段の計画 その1
子供が友人を連れてきて、外との出入りを繰り返すような場面では、声もかけられるし、リビングのプライバシーも侵害されることがない、バランスのとれた計画です。
リビングのわきを通り2階に上がる階段の計画 その2
コミュニケーション性とプライバシー性の両方が適度に保たれたリビング階段です。
このバランス型のもう一つの利点は、2階への動線を完全に分離して独立性を高めたい場合に、簡単なリフォームでプライバシー重視型のホール階段に変更がしやすいという点です。
次に、その例を具体的に見てみましょう。
リビング階段からホール階段に簡単リフォームし、プライバシーを生む方法
例えば、同居する親に2階に住んでもらう、あるいは、親類・知人に2階の部屋を長期間貸すといったことがあり、1階の家族空間と2階の家族動線を分けたい時などに使える方法を紹介します。
具体的には、プライバシー性とコミュニケーション性の両者を適度にとった3.バランス型のリビング階段の計画から、2.プライバシー重視型のホール階段に切り替えることでこれを実現します。
しかし、リビング階段からホール階段へ切り替えるといっても階段の位置を動かすわけではありません。リフォームのやり方としては簡単です。それは、階段の登り口を、玄関ホールの領域に取り込むことで実現します。
具体的に見てみましょう。
リビング階段からホール階段への改修
このように建具の位置を移動し、階段の上り口を玄関ホール領域に移すことによって、リビング階段からホール階段に切り替え、2階動線の独立性を大きく向上させることができます。
子供がいるうちはリビング階段、子供が巣立ち空いた部屋に誰かと同居することになった時に、ホール階段へ切り替える。こういった、将来の変化に対応しやすいというのがバランス型リビング階段の特徴です。
リビング階段、ホール階段まとめ
以上をまとめます。
- 顔がよく見える
2階の家族と頻繁に顔を合わせることができるため、家族間のコミュニケーションがとりやすくなります。 - プライバシーがない
子供が大きくなるなどして、プライバシーが必要とされる時期になると、ストレスが生じます。
- 互いの干渉が少なく暮らしやすい
生活動線が重複しないため、2階に同居人(親類など)が住む場合などは、互いのプライバシーを保ちやすくなります。 - 顔が見えない
顔が見えづらく、コミュニケーションがとりにくくなります。
- コミュニケーション性、プライバシー性の両方が適度にある
お互いの顔も見え、干渉性も少ないため、バランスがとれています。 - 階段型への切り替えが容易
比較的簡単なリフォームで階段ホール型に切り替えることができるため、プライバシー性が必要な同居にも対応しやすい。
階段の位置や上り口の位置で、コミュニケーション性やプライバシー性が大きく変わり、意外と奥が深いのがお分かりいただけたと思います。もちろん絶対の正解はありません。あなたの家族に適したプランの参考としていただければ幸いです。
なお、リビング階段の間取図について、以下にまとめていますので、こちらも参考にしてみてください。