住宅ローンの金利の仕組みは為替、物価など、さまざまな経済情勢と密接に連動していて、一言では言い尽くせない仕組みがあります。住宅ローン金利の数字だけを見るのではなく、なぜ住宅ローンの金利が変わるのかをわかりやすく説明します。
金融機関が住宅ローンの金利を決める際、基準にしている金利があります。それは、金融機関や取り扱う商品によって異なり、「金利は~水準を基準」「~連動型」というように説明されています。
金融機関は、それぞれ基準にしている金利に経費・利益などを加味し、住宅ローンの金利を決めています。
住宅ローンの基準となる金利は主に3つ。「財政投融資貸付金利」「長期プライムレート」「短期プライムレート」です。
財政投融資貸付金利、いわゆる財投金利は簡単に言うと国の貸出金利です。
そもそも「財政投融資」とは、公共事業を行なう際に国がお金を融資することをいいます。その際に生じる金利が財政投融資貸付金利です。
住宅金融公庫(現:住宅金融支援機構)融資などの公的ローンは「財政投融資貸付金利」を基準に、民間ローンは「長期プライムレート」「短期プライムレート」を基準にした金利を適用しています。
よって、「長期プライムレート(長プラ)が上がったから住宅ローンも上がる」というように一般的に言われるわけです。
さらに突き詰めると、「財投金利」は「長期国債の流通利回り」、「長プラ」は「利付き金融債の流通利回り」、短プラは「公定歩合・短期金融市場の取引」の影響を受けます。