ここでは、3年・5年固定などの短期固定期間選択型のローン商品の特徴について紹介します。最初の低金利が非常に目につきやすいですが、固定期間終了後は適用金利がアップするのがほとんどです。そうしたデメリットもしっかり理解しておきましょう。
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短期固定選択型の住宅ローンを利用する人の割合
固定期間選択型を希望する方がどれくらいいるかというと、約3割前後ということが分かっています。
このうち約半数の方は10年以上の長期固定型を利用しますので、短期固定型金利を希望する方は約15%前後と考えられます。
短期固定型の店頭金利は高く感じますが、実際の適用金利はかなり低く、その低金利にやはり目が行ってしまいます。
なお、短期固定の期間が短いほど金利が低くなりますので、余計にそちらに目が向きます。低金利が長期間続いていることもあってか、変動金利や短期固定型金利を選択する方は依然として少なくないといえるでしょう。
短期固定選択型住宅ローンのメリットデメリット
短期固定型のメリット・デメリットを整理しましょう。短期固定タイプの住宅ローンは、固定期間終了後、自動的に変動金利に移行し、その時の金利と元金に基づいて返済額を再計算する仕組みです。
メリットは、当然インパクトのある低金利ということになります。しかも3年、5年間は変わらぬままなので、初期時点の返済額を低く抑えることができます。
短期固定選択型はその難しい仕組みと金利アップがデメリット
しかし、固定期間終了後は、店頭金利からの優遇金利がそれまでと変わり、通常は優遇金利が縮小します。
さらに、優遇の元となる店頭金利(基準金利)が、固定型の金利から変動型の金利に変わり、普通は相場的に上がるため、適用される金利が大きくアップする可能性があることがデメリットといえるでしょう。
固定期間が終了した段階で、適用金利が大幅に上昇していたら、毎月の返済額が突然急上昇するということです。
短期固定期間選択型は基本的には変動型金利型とみなせ、当初の一定期間のみ非常に大きな優遇が受けられるのですが、変動要素が金利相場の変動だけではなく固定期間終了による変動の要素がプラスされるという点が難しいといえるでしょう。
それならば、返済の全期間にわたって、優遇金利が変わらない変動金利プラン(通気引下げプラン)の方が、まだわかりやすいといえるかもしれません。
短期固定選択型のリスクを知った上で選択する
今後の金利を読むのは難しいことですが、現在3~5年固定金利での返済額が生活上ぎりぎりである場合、例えば返済期間が35年間だとすると、その金利が最後まで続く必要があり、または金利上昇とともに給料が上がるしかないということですから、決断には相当の覚悟が必要となるでしょう。
昇給が期待できるか? 返済期間は長期か? 金利ウォッチが苦でなく、金利上昇の気配を察知したらすぐに借り換えることができる性格か? ある程度の上昇を見込んだ上での返済計画か?このようなことを自問し、短期固定選択型の自己適性を見極めてみましょう。
安心感にこだわるなら完全固定型なのですが、やはり少しでも金利の低い短期固定で元金を早く減らしたいと思うのが人情・・・。結局は、ここで悩むことになるのですが、金利予測が確定的でない以上は究極の答えはリスク分散に尽きるといえるでしょう。
つまり、完全固定型と短期固定型など、複数の金利タイプを併用するということです。そして、金利の情勢によって不利になった側の借入タイプの繰り上げ返済を進めるのです。
参考⇒
変動金利が上昇したときの対応策は?
変動型金利か?固定型金利か? 悩んだときの究極の答えは!
短期固定型金利は変動金利同様、金利の変動リスクを受け入れることが前提となりますので、そのリスクを十分知った上での選択とすることが肝要です。
販売チラシによくある「毎月返済額は○○万円!今の家賃とかわらない金額で購入可能!」という表現がありますが、「某銀行3年固定金利で借り入れた場合」などと小さく書いてあります。
この毎月返済額は30年間同じでないのは言うまでもありませんが、あたかもずっとその金額さえ払えれば購入できるのではという錯覚を消費者に与えかねない表現にも感じます。
そのような広告に惑わされず、短期固定型金利のリスクをしっかり認識したうえでこの商品を活用することが大切です。