ハウスメーカーを選ぶときは何を重視すべきなのでしょうか?そのポイントを教えてください。
メーカーの知名度、工法、外観、性能、価格、営業マン・・・決め手はそれぞれですが、ここでは後悔しないために大切なことのみ、お伝えします。
正直、何を重視すればいいか悩んでいます。みんなはハウスメーカー選びで何を重視しているのですか?
1位が建物の性能、2位が立地場所、3位がデザインです。
図:住宅市場動向調査 2018年度4月調査結果データ | 独立行政法人 住宅金融支援機構 より
なるほど、このポイントを参考にすればいいんですね?
まあ、そうなのですが、実はこの結果には出てきていない、皆さんが最も大切だと思っていることがあります。
ここにはない大切なこと?
それを端的に言えば住宅会社の「信頼性」です。当たり前すぎて、回答として挙げられていないだけなのです。
確かに、それが一番大事ですよね。
その一番大事な「信頼性」が人それぞれになんとなく判断され、明確に意識化されていないことがトラブルの背景にあります。ここでは、この部分をじっくりとお伝えします。
ハウスメーカー選びは、家づくりの最重要事項であることは、もはや説明するまでもありません。そして、近年、そのための情報はとても充実しており、容易に入手できる世の中になっています。
しかし、限られた時間しかない皆さんにとっては、どうしてもデザインや、性能、コスト、最新機能・設備といった勉強に時間を奪われてしまい、消費者として本来知るべき基本的な背景や注意喚起情報に触れる時間が少なくなってしまいます。
ここでは、家づくりを始める前に必ず知っておくべき大切な情報をおさらいし、ハウスメーカー選びの重要ポイントを依頼先のチェックの仕方を通してお伝えしていきます。家づくりで絶対に後悔しない「正しい住宅会社の選び方」を学ぶための総合ガイドとしてご活用ください。
■目次
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1.住宅会社選びの前に必ず読む!基本・重要事項
住宅の工法や性能について勉強したり、住宅会社をいろいろ比べたり大変なのはわかります。しかし、ハウスメーカーに話をする前に、知っておいた方が良いことがあります。
以下の2ステップに沿って、これらの基本をできる限り学んでください。今、時間が無く忙しい方は、このページをお気に入りに登録していただくとよいでしょう。
これらを知ることで、依頼先選びの視点が鋭くなり、後悔を防ぐための基礎体力を身につけることができます。
1-1 まず、法律背景と消費者の立場を知る
まず、家づくりにおける基本的な法律と、その法律に基づいた各建築事業者、専門家、機関の役割、そして、その中で消費者はどのような立場にいるのか・・・その基本的背景を知りましょう。
住宅を建てるとき、自分の住宅の安全がどのようにチェックされ、どのような制度に守られているのか・・・ここでは、その基本的な仕組みについて説明します。
住宅を取得する消費者保護の仕組みについて、施主と各建築関係者にはどのような責務が課せられているのか?住宅のチェック体制がどのようになっているのか?全体図で家づくりの流れにそって解説します。
ここでは、建築生産に必ず関与することになっている工事監理者について詳しく説明いたします。どんな役割があるの?必要な工事の規模は?工事管理者や現場監督と何が違うの?施主(建築主)と工事監理者はどのような関係?これらについて、わかりやすく説明します。
1-2 何が守られ何が守られないのかを知る
次に、住まいの安全・安心について、法律が具体的に何を守ってくれるのかを知りましょう。その最低限を知ることで、何を自分で守らなければいけないのか、どういう意識で家づくりをすべきかが見えてきます。
ここでは、あなた自身に必要な住宅制度の追加オプション対策を具体的に検討していただけるよう、最低限の仕組みでは「守ってくれないもの」を要点別に視覚化し、それに対応した制度について具体的に説明していきます。
ここでは、一般的な戸建住宅で行われる現場検査の種類や内容とその全体像について詳しく説明します。基本的な検査と、さらに追加できるオプション検査、それぞれを理解していただき、さらに検査の第三者性を高める必要性があるかどうか、依頼先の住宅会社に全てを任せきるのは不安という方は参考にしてみてください。
ここでは、家づくりで最も大切であり、一番最初にやらなければいけないことをお伝えします。それは、プロの味方・・・つまり第三者の工事監理者に家づくりをサポートしてもらうかどうかをまず決めるということです。住宅業者を選ぶのはそれからです。ここでは、この重要性と、どう選択すべきかのお手伝いをいたします。
うわー。何か難しそうな話ばかりのような・・・。
そうなんです。全然ワクワクしないんです・・・でもとても大切なことので、時間のあるときに自分のペースでご覧ください。
ただ、上記の内、以下のページについてはハウスメーカーと話を始める前に必ず確認してください。自分にとってプロの味方が必要かどうかをまず考えてほしいのです。
住宅業者選びの最重要ポイント―第三者工事監理にするかをまず決める
わかりました。
2.依頼先のチェックの仕方
以上、上に掲げた基本的事項をある程度頭に入れていただいた上で、依頼先のチェックの仕方に進んでいきましょう。そのチェックの要となるのは、ズバリ、依頼先の「信頼性」です。それを6つのセクションでお伝えしたいと思います。
2-1 ハウスメーカーの信頼性を確認する方法
依頼先の信頼性を確認する方法は以下の2つのページに集約しています。
ハウスメーカーの口コミ評判があまりにも悪い場合、あなたなら「本当に契約してよいのか」と不安なるのではないでしょうか。しかし、それだけを信用の判断材料にするのは、見極め方に偏りがあるといわざるを得ません。なぜそうなのかをくわしく解説します。
ここでは、ハウスメーカーの信頼性を確認する具体的なポイントについて解説します。契約前に絶対知っておいてほしいポイントを紹介していますので、これらを頭の片隅に入れながら、住宅会社と交渉してみてください。
上記の通り、ハウスメーカー選びは、なんといっても相手の人間性・信頼性を確認することです。次に、これらをどのようにチェックすべきかということを、もう少し踏み込んで説明していきたいと思います。
2-2 ハウスメーカーの違いは「人」を見る
一般的に見ると、ハウスメーカーは大手・中堅ともに、細かいことを除き性能や提供品質に大きな差は無いといってもよいでしょう。強み弱みはあるにしても、概ね施主の要望に応えられます。
しかし、あくまで「住宅」そのものについて一般的に・・・ということであって、施主個人が感じる住宅会社の印象は、天と地ほどの差があります。
それは、各社の「人」が違うからです。生産者と長期間打ち合わせを重ねる注文住宅は、その「人」に満足度を大きく左右されます。
会社によって違うのはもちろんですが、さらに同じ会社でも、営業マンの違い、現場担当者の違い、下請け業者の違いなどがあります。なので、同じハウスメーカーでも満足する人、満足しない人が出てくるのです。
「人」で決まってしまうということですねー。つまりデザインや性能で選んではいけないのですか?
いいえ、デザインや性能にワクワクすることも家づくりの醍醐味です。それも楽しみながら、「人」をみるということを怠らないようにしましょうということです。
もちろんそこはしっかり確認しています。
そうですね。そんなことはいわれなくてもわかっていることですから、皆さんは営業マンの「人間性」をしっかりチェックしているはずです。
今話している相手は、なんか感じがよくて、信頼できそうなんです。
信頼できそう・・・みんなそう思うんです。でも相手は契約印を押させるプロです。はたして、契約後、途端に態度を変えたりしないと自信を持って言えますか?ということなのです。
あわわ・・・そう言われると、なんか急に不安になってきました・・・。
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会社の経営方針をチェックしましょう
人を見ることが大切なのですが、人は属する会社の経営方針の影響を最も強く受けます。会社の思いがどこに向いているのか・・・中小のハウスメーカーが相手の場合は特にここが大切です。
ところで、あなたは以下のどちらのハウスメーカーと契約したいでしょうか?
もちろん、顧客重視型のハウスメーカーがいいに決まっているのですが、これは両極の印象を視覚化したもので、ハウスメーカーが必ずどちらかに属するということではありません。
そもそも企業ですから経営が成り立ってなんぼの世界です。ほとんどは両方の側面を合わせ持っています。ただ、概ね全体としてどちら側に寄っているかが各社によって違います。できればそうしたものを感じ取っていただきたいのです。
社員の言動・態度をチェック
イメージだけではわかりづらいので、もう少し具体化してみましょう。社員は会社の思想を写す鏡です。社員の態度や言動にどちらに寄った会社なのかを見極めるヒントがあります。
- 聞いてないのに自社の優れた点を延々と説明する。
- 他社の悪評を連ね、一方的に自社を押してくる。
- 不安がないかを聞いてもくれない。
- こちらが質問しても、専門用語を使って押し切る。
- みんなそうしてる、これまで問題ないといって不安を押し切る。
- 質問や提案を求めると面倒な顔をする。
- お願いしたことをメモしない。
- 重要な未定事項がたくさんあるのに仮契約を迫ってくる。
↑
こうした会社は、年間契約棟数のノルマ達成に向けて過度な圧力を課している可能性があります。本来「個人」としては、顧客への思いを抱いていたはず・・・かといって数字が立たなければ企業も社員も存続できない・・・結果、数字重視のプレッシャーによって、「個人」の思いもゆがめられてしまうのです。
この会社は売上重視型に近くなっている会社と言えるでしょう。そもそも質問の答えが何を言っているかわからないというケースは、顧客に安心してもらいたいという思いやりが欠如しています。そのような会社はやめましょう。
一方、A社とは反対のB社を見てみましょう。
- 聞いたことだけを丁寧に回答してくれる。
- 他社の悪口は言わず、特徴や強みを比較情報として教えてくれる。
- 打ち合わせの都度、不安や疑問が無いかを聞いてくれる。
- 専門用語を使わずわかりやすく回答してくれる。
- 施主が選択しやすいよう、他事例や実績などの情報を提示してくれる。
- 質問や提案を求めても、できる限り全力で対応してくれる。
- お願いしたことを必ず打ち合わせ記録にとどめる。
- 十分な合意環境が整うまで契約を迫ってこない。
↑
この社員は、経営者の顧客への思いをしっかりと実践していることが見えてきます。「お客様の喜びがあって、会社の喜びがある!」ということを社長自らが背中で伝えているような会社です。
社長が現場に顔を出し、指導も厳しいが社員と一丸となっており、規模が小さくても地域で多くの信頼を得ている会社に多く見られます。顧客への思いをリアルに感じられる好例といえるでしょう。
A社とB社のどちらがいいですか?ということです。
もちろん顧客思いのB社がいいにきまっています。
でも、A社がデザインもよく、今契約していただけるなら200万円安くしますと言ってきたらどうですか?
えーっと、ちょっと悩みます・・・。
悩むのはわかります。相手は揺さぶりの天才ですから・・・。でも悩んではいけないのです!不満足な結果になるのが明らかです。
少し極端な例として挙げましたが、本当にA社のような会社がありますので、十分参考にしてください。
わかりました。
以上のように、人を見ることが会社を見ることにつながります。あなたが接するのは担当者ですが、その背後から顧客へのサービスのエネルギーを常に降り注いでいるのが会社です。
担当者の人間性が最も重要ですが、契約相手は担当者ではなく会社です。会社の本質も社員を通してしっかり見えていることが大切です。
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2-3 あなたとソリが合うかどうかを確認する
実は会社を見るということは非常に難しく、一筋縄ではいきません。営業担当者も信頼できる、性能・技術にも優れ、会社の評判もよいのに、どうも契約するのが引っかかるということがあるのです。
実は嫌いなハウスメーカーが・・・
私にも、実は自分が家を建てるなら絶対にここには頼みたくないと思う会社があります。その会社は大手ハウスメーカーとしての実績を築いている会社です。社員も優秀な粒ぞろいです。
えー。大手なのにそんな嫌な会社が有るんですか?
その理由は、端的に言うと、ハートに温かさを感じないからです。お客さんに見せる顔の裏で、粗暴で横柄な態度、人を見下すような言動・・・そうした社員が他のハウスメーカーよりもとても多く感じたのです。ですが、もちろん、優れた人格の方もいますので、私は森の中の一部の木を見ているに過ぎないのかもしれません。
ハートですか・・・
「ハートとか愛で家は建たないよ・・・性能・技術だよ。」そのような意見ももちろんです。私は、性能・技術といったものだけではなく、どのような社員を育てているのかという企業風土をなんとなくでもいいから感じてもらいたいのです。
直感や肌感覚も大切に
私は、業界人なのでそれを感じやすい環境にいますが、一般の方はできる営業マンにカモフラージュされ、会社の本質までは見えにくいでしょう。
しかし、それでもです。そこにあなたの直感が働き、「なんか嫌だな・・・長くお付き合いしたくないな・・・」という思いが湧けば、その思いに耳を傾けた方がよいでしょう。
お客さんのいないところでも、「お客様」と呼んでいるか、「あの客さー」と呼び捨てしているか・・・。例えば、こうした企業風土の違いがあなたの嗅覚に作用し相性を分けることがあります。
企業ブランド、性能、デザイン、営業マン・・・すべて評判がいい。でも、そんな他人の評判などは、あなたの満足に一切関係ありません。
あなたとソリが合う、つまり相性がいいかどうかを確認することも優先的に考えましょう。どの住宅メーカーであろうと、あなたが満足すればすべてがOKなのです。
2-4 口コミ、満足度調査はあくまでも参考に
自分と相性のいい、顧客を重視するハウスメーカーを探るため、実体験に基づいた口コミや顧客満足度調査などの結果を利用できないでしょうか。結論を言えば、やはり、参考にはしても、それだけを判断根拠にすることは控えるべきでしょう。
こちら(口コミ評価を参考にする)で、口コミや顧客満足度結果についての注意点について説明していますが、覚えておきたいことは一つです。それは、どのハウスメーカーをとってみても、概ねの施主は満足し、不満足は全体の一部であるということです。
■ハウスメーカー利用者に聞いた 「他人に勧めたいですか?」
参考→口コミ評価を参考にする
ハウスメーカーによって満足する人の割合が7割なのか9割なのかという違いはありますが、一部の発信者の切り口と主観による悪評でその会社全体を判断するのは行き過ぎになるおそれがあるということです。
そして、もう一つ言えるのは、施主の100%が満足するハウスメーカーは無いということです。つまり一定の不満足が必ずあるわけですから、ある人が、「とてもよい対応でした。非常に満足です。」といっても、あなたが同じように感じる保証は全くありません。この会社なら大丈夫ということはないのです。
結局、後悔という事態を避けるためには、あなたが直接会って相手を見極める必要があるという点に行き着きます。数字や口コミはそのための参考情報として活用するようにしましょう。
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2-5 相手の答えで信頼性を見分ける
さあ、それでは、会社の信頼性、あなたと相性の合う会社かを見分ける方法について、もう少し具体的、専門的な視点から見ていきましょう。
明確な選定基準があるわけではないので、一般の方にとっては、何をどう見れば良いかわからないと思います。ですが、大筋から外れないためのポイントがあります。
ポイントは、
あなたの将来にわたる満足・幸せを真剣に考えてくれる相手かどうかを見る
・・・ということです。
抽象的な言葉で、まだピンとこないでしょうから、具体的な会話のやりとりからそのあたりを掘り下げます。
答えの返し方で、ハウスメーカーの心づかいを見抜く
以下の質問に対するハウスメーカーの回答をみてください。あなたはどのように感じるでしょうか?
質問①:シックハウスが気になるのですが、貴社はどのような対応なのですか?
もちろんしっかり対応してます。24時間換気もしてますし、内装材も化学物質が放散しない材料を使っており、建築基準法を十分にクリアしていますのでご安心ください。
ご心配が強い場合は、
- 室内の化学物質の濃度測定(6物質)を行い、性能評価を取得する
- トルエン、キシレンを含有しない接着剤の使用
- 合板製材を避け無垢材、珪藻土などの自然素材を使用
- 化学物質を吸着、分解する材料を使用
- 築後一定期間は24時間換気の換気量を増加
といった対応が可能ですので、いつでもご相談ください。
■考察
ハウスメーカーAの説明にある24時間換気や建築基準法クリアは義務なのでやって当然の話です。また、Aの説明は、最低限度の基準である建築基準法が、あたかも万全の基準であるかのような誤解を与えかねない説明です。
当たり前のことを自社は特別にやっているかのような印象を与える説明は、誤解を生むだけでなく、施主にとっての正当な選択機会を奪うことになります。
ただ安心させるのではなく、施主に法の欠点やリスクを伝え、不安が解消されるよう対応策の選択機会を提供し、自己決定を促すのがプロの努めなのです。
※シックハウスの法の弱点や対策方法については以下をご参考ください。
→シックハウス対策において基本制度では守られないこと&追加対策
質問②:貴社の住宅の耐震性は大丈夫なんですか?
もちろん大丈夫です。建築基準法を十分に上回る量の耐震壁を確保した「高耐震住宅」です。当社の最近の住宅は過去の大地震で1棟も倒壊しませんでした。震度7が来ても大丈夫ですのでご安心ください。
よって、耐震性を強くすればするほど、地震時の揺れを少なくし、被害回復の負担を低くできることから、耐震性に余裕を持たせることが理想です。
当社は、建築基準法レベルの1.25倍、あるいは1.5倍の耐震性能があるものとして、全国共通のものさしである住宅性能評価による耐震等級を取得することが可能です。
この評価の取得により、売買時にも住宅価値を客観的に証明でき、地震保険が割引になるなどのメリットがありますので、検討される場合はさらに詳しくご説明します。
■考察
大震災で倒壊した建物の多くは、一部の例外を除いて、昭和56年以前の旧耐震基準時に建てられた古い住宅です。よって、ハウスメーカーAの建てた最近の住宅が倒壊しないことはなんの自慢にもなりません。(それが現行の新耐震基準の求める当たり前だからです)
まわりは倒壊したが、うちは倒壊していないという都合の良い事実のみを自社のアピールに用いる説明で、嘘ではありませんが、技術者から見ると「何を自慢しているのか?」という話です。また、ただ、「高耐震住宅」というのではなく、なぜ、高耐震と呼べるのかを数値や技術的な根拠で説明されることが大切です。
こうした、エビデンスに基づかない、施主をなんとなく安心させてしまうAのような話術で偽物の安心感をつかまされてしまうのです。Aについては、適切性を欠いた説明といえるでしょう。
※耐震性についての法適要求水準や対応策の詳細については以下をご覧ください。
→耐震性において基本制度では守られないこと&追加対策
質問③:視界と明るさをとりたいので居間のコーナーに窓を追加したいのですが?
おまかせください。今契約していただければ、費用もなんとか当初予算の範囲に収まるよう勉強させていただきます。
費用アップ、外観が損なわれるなどの点もご考慮いただきたいと思います。別案として現状の窓のサイズアップをする方法が問題が少ないと思いますので、ご家族でご相談されてはどうでしょうか。
どちらのハウスメーカーが契約相手としてふさわしいでしょうか?
Bの方がいいです。
そうですね。デメリットをしっかり説明し、アドバイスもしてくれるBの方が信頼できますね。お客さんの将来を考えているからです。Bのような説明があれば、お客さんはどういう選択をしても後悔がないのです。
Aは費用はお得だけど、なんか後で後悔しそうな気が・・・。
そうです。Aは商売上手ですね・・・。契約してしまえばこっちのもの・・・という可能性を秘めています。「将来のデメリットを説明して、気が変わって他社に行っても困るし、ここは黙って一気に契約に持って行こう・・・。」などと思っているかもしれません。
こうして比べると、相手の信頼性の違いがわかってきたような気がします!
おっ、その調子です。この両者の差にこそ、ハウスメーカーを見分けるポイントがあるのです。どんな家にするかよりも、こうした誰に任せるかということがとても重要だと思いませんか?
質疑応答 まとめ
以上の質疑応答から読み取れる相手の信頼性チェックの要点をまとめます。
- あたりまえのことを、「うちは特別にやってます」のように自慢していないか。
- 自社の都合(契約)優先の説明ではなく、施主の将来を考えた説明か。
- 言うことを何でも素直に聞いてくれる相手が良いとは限らない。
上記のように、ハウスメーカーAとBのような対応の差が、消費者にとってどれほど大きな差になるかお分かりいただけたと思います。担当者の人間性、現場に携わる者の人間性で出来栄えと満足度は決まる・・・これをしっかり意識した上で性能やデザインに目を向けてください。
2-6 会社が良くても担当者にバラツキがある
ハウスメーカーAとBの違いということを例に見てきましたが、さらに、一つの会社においてもAタイプの営業マン、Bタイプの営業マンがいます。
先にも挙げましたが、どんな有名なハウスメーカーでも、その提供価値に満足する人とできない人の両方が必ず存在します。満足できない理由は様々ですが、担当者の人間性で満足の結果が分かれることがあるのです。
会社の経営理念はだいたい素晴らしい
ハウスメーカーは国民の重要な福祉財産の供給者という社会使命を担っているという側面から、その経営理念は一般的に素晴らしいものが掲げられています。
例えば、こちらのハウスメーカーの社長インタビューをご覧ください。顧客に対する姿勢としては非常に共感できる素晴らしいものをお持ちであることがわかります。
会社と喧嘩してでも、お客様のために何とかしたいという熱い情熱をもって頑張ってこられたからこそ、多くの信頼と実績を得ることができたのでしょう。できれば、このような方を担当者として家づくりを任せたいものです。
なお、当サイトがこちらのハウスメーカーを推奨しているわけではありません。経営者の考え方の一例としてお示ししているものです。
担当者がすべて素晴らしいとは限らない
しかし、社長の経営方針や顧客への姿勢に共感が持てたとしても、その姿勢が社内に浸透し、事業活動の隅々までいきわたり、担当者が一糸乱れぬ動きをしているとはかぎりません。
おのずと、支店長の個性、営業部長の個性、営業マンの個性が反映され、そこに施主の個性との相性が絡まり、物質的には均質でも、サービスの質や感じ方に大きな差が生じます。
さらに、厳しいノルマや掛け持ちなどで担当者が仕事に追われていては、お客様のためという経営方針が二の次になり、やっつけ的な仕事になれば、顧客の満足が低下するのは当然です。
こういった現実は、競争・合理化の極みに達した現在の業界事情からすると、むしろ起こって当然といえるでしょう。名だたるハウスメーカーの看板を背負った営業マンでも、そうしたタイプの違いであなたの満足度が大きく変わってしまうということを覚えておきましょう。
それがわかれば、知り合いのおすすめだから…、企業ブランドが一流だから…といった「名」に頼ることが、必ずしも良い結果を招かないということもわかってくるはずです。
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3.最後に 契約は後戻りができない
家づくりに大きな後悔を残した方の相談を多く受けてきた経験から、正直、ハウスメーカーなどどこでもいいとさえ思うことがあります。大事なのは信頼できる人間に家づくりを任せられるか・・・そういった担当者に出会えるか・・・その一択です。その上で、デザインや性能を楽しんでほしいのです。
統計・資料等 | 住まいるダイヤル(公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター)
上に示すように、住宅産業がクレーム産業から抜け出せる見通しはまだ遠いといえます。「もう面倒だからこの会社でいいや・・・」と決してあきらめてはいけないのです。
最後にお伝えしたいこと、それは、契約とは後戻りさせないための拘束を意味するということです。当たり前のことですが、意識化のためにあえて言います。
契約するということは、住宅があなたのものになることが確定する一方で、あなたの債務が確定し、住宅会社という相手が確定するのです。
「やっぱり別のハウスメーカーにします」「納得いかないので代金を払いたくない」ということが言えない、つまり、あなたの決定が不可逆的な状態にされてしまうということなのです。(訪問販売による強引な勧誘などではなく、あなたが冷静に判断した結果であればクーリングオフも使えません。)
なので、契約をとってしまえばこっちのもの・・・こうした本音に偏った方向に住宅会社の姿勢が向きやすくなるのです。この本音は、企業という経営組織からすると宿命的なものですが、一方で、お客さんに十分に納得をいただいた上で契約してもらいたいという倫理もはたらきます。
なので、強引なことはしませんが、話術が実に洗練されているのです。自社との契約までスムーズに持って行くその一点に向けた技術は見事としかいいようがありません。
やはり、前述のハウスメーカーBのような、リスクやデメリットをわかりやすく説明し、後悔が残らないよう方法を一緒に考えてくれる人・・・そうした人間味から湧き出る思いやりや優しさを感じられる人との出会いを待ちたいものです。
キッチンの作業スペースの狭さが気になったのですが、「普通はこういうものです」と押し切られ、「まず、仮契約の方を・・・」といわれたので、ちょっと心配です。
長く使うのに不便を感じず、トラブルや後悔が生じない家づくりを一緒に真剣に考えてもらえる人ではないと感じたら、契約はやめるべきでしょう。あなたの個性が満たされなければ満足など無いのです。
キッチン周りのインテリアが素敵なハウスメーカーだったんですが・・・なんか、自分が重視していたことがずれていたような気がします。
最新の性能や見た目などは3か月もすれば飽きるものです・・・。外観が重要なのか・・・インテリアなのか・・・このメーカーで建てたという自分のプライドなのか・・・
今一度意識を向けるべきポイントを見直してみてください。
家づくりの進め方
最近は、SNSを通して、気に入った住宅会社の見学会へ参加するという流れがあります。注意したいのは熱いファンになりすぎて、冷静な自分を見失うことです。
どのようなルートを通じても、相手のペースで家づくりが勝手に進むことのないよう、事前の「学習」をしっかり進めておくことが大切です。以下の情報源を活用しながら、広く全体を見渡し理解を深めていきましょう。
家づくりの情報源
ハウスメーカー選びや家づくりで悩んでいる方へ
勉強が大切なのはわかるけど、わからないことが多すぎて、自分で判断できない…このように悩んで行き詰まっている方に、お伝えしたいことがあります。
これらの悩みが残ったまま、ハウスメーカーと直接向き合ってしまうと、自分のペースが乱され、つまづく原因になります。重要なことは、これらの悩みを先に解消し、家づくりの方向性にしっかりとした軸を持ってハウスメーカーと向き合うことです。
しかし、それを自分たちだけで解決するのは容易ではありません。そこで、そのような方にお勧めしているのが、中立の信頼できるアドバイザーに相談するという方法です。現在、それに適したサービスが、以下のオンライン相談「HOME4U 家づくりのとびら」です。
このサービスは単なるハウスメーカーの紹介サービスではなく、「相談員はベテランのみ」が対応、上記の問題やあなたの迷いを解消し、家づくりの全体像と方向性がしっかり見えるようサポートしてくれます。さらに、予算や土地選びなどを含め、あなたの納得のためのサポート品質が全体的にとても高く、ハウスメーカーと話をするための土台をしっかりつくってくれるところがオススメです。
また、企業信頼性も高く、あなたが納得しないまま、事が進んでしまうようなことはありませんので、安心して利用できます。もし、悩んで行き詰まっているなら、無料なので、一度、気軽に相談してみることをおすすめします。