住宅に地下室と自動車車庫がある場合、どちらも容積率が緩和されますか?また、緩和の上限面積がそれぞれ違いますが、どのように計算するのですか?

住宅の地下も自動車車庫もそれぞれ、上限の範囲で容積率は緩和されます。計算はそれぞれの緩和の条件に従うだけです。同時緩和が不利になるということはありません。

地下室と車庫の容積率同時緩和

住宅の地下室と自動車車庫の容積率緩和を同時に受けられるのか?

住宅の地下室と自動車車庫はどちらも容積率緩和の対象用途ですが、同時に緩和を使ってよいのか?また、計算する時に、どちらを先に計算すればよいのか?という質問があります。

答えは、同時に容積率緩和を受けることは可能ですし、計算の順序も特に関係ありません。

この容積率の緩和規定は、単純に全体の延べ面積から、一定を上限に緩和対象床面積をそれぞれ差し引くことになります。よって、条件さえ満たせばどちらの用途も差し引くことができます。

また、緩和面積の計算順序については、差し引き後の延べ面積が次の緩和算定の計算ベースになることはないため、どちらを先に計算しても同じ結果となります。詳しくは下図の計算例をご確認ください。

なお、それぞれの緩和既定の詳細については、以下のページに記載しています。

自動車車庫と住宅地下室の容積率同時緩和のイメージ

容積率同時緩和の計算例

                 
実際に、計算例で算定方法をみてみましょう。

地下・車庫容積率同時緩和の計算例

車庫は、全体の延べ面積の1/5が緩和の上限となるので、30㎡全てが緩和対象となるのではなく、140㎡の1/5である28㎡が緩和対象となります。

一方、地階の住宅は住宅全体の1/3が緩和の上限となるので、110㎡の1/3である36.6㎡が上限値となりますが、なお、地階の床面積は20㎡しかありませんので20㎡が緩和の対象となります。

よって、容積率算定床面積は140-28-20=92㎡となります。

このように、両者同時に緩和を受けることができ、算定の順序に関係なく容積率対象床面積が決まります。

地階の住宅の緩和の上限は全体の延べ面積の1/3ではなく、車庫を含まない住宅全体の床面積の1/3であることに注意しましょう。